2023年05月16日
50~60代に訪れる心身の不調は、更年期障害の可能性があります。更年期障害といえば、性ホルモンの分泌が低下して心身に不調が起こるもので、以前は女性特有の症状と思われていましたが、最近では男性にも起こることが判明しています。
女性の更年期障害は、エストロゲンという女性ホルモンの低下が原因であるのに対し、男性の場合は、テストステロンという男性ホルモンの低下が引き金になって起こります。男性は50歳くらいでテストステロンが減少します。
このホルモンは、適度に分泌されると筋肉や骨を強くし、動脈硬化を予防するなどの効果がありますが、テストステロンの分泌が急激な低下すると、大量の発汗、体のほてり、性欲減退、関節や筋肉の痛みなどを引き起こします。精神面では、テストステロンは神経伝達物質であるドーパミンを増やしたり、脳の扁桃体に作用してネガティブな感情を抑制します。その分泌が低下すると、新しい仕事にチャレンジする意欲が失われたり、以前より元気がなくなる、物悲しい気持ちになる、怒りっぽくなる、性欲の低下、運動能力が低下、仕事がうまくいかない、体力や持久力の低下、身長が低くなる、などの症状が起こります。
男性の更年期障害の原因は過労や人間関係の悩みなど、ストレスがほとんどで、転職や退職などの社会的な要因で起こるものが多いです。運動不足もかなり影響するようです。
男性ホルモンは睡眠中に作られるので、質の高い睡眠をとることが大事です。自律神経のうち、副交感神経が優位になると、テストステロンの分泌量が増えます。つまり、ゆったりした時間を過ごすことが重要ですね。食生活でいうと、タマネギやニンニクに含まれる硫化アリルシステインがテストステロンの産生を増やします。羊肉に含まれるカルニチンや牡蠣に豊富な亜鉛を摂取するのも良いですね。
テストステロンは他人と競い合う場面で分泌が高まるため、ゴルフやテニスなどの対人スポーツを楽しんだり、コミュニティ活動で自己表現ができる場に出向くことが大事ですね。