院長ブログ

2021年09月24日

腰部脊柱管狭窄症とは

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは、背骨の中を走る脊柱管が狭くなり、脊柱管を通る神経が圧迫されて腰痛、臀部痛、足の痛み、足のしびれ、足の脱力感などの様々な症状が出る病気です。50歳以降の人に多くみられ、高齢者の10人に1人がかかると言われています。

腰部脊柱管狭窄症の原因

腰部脊柱管狭窄症は、主に加齢で起きる背骨や周囲の組織(椎体や椎間関節、椎間板、骨棘)の変形、黄色靭帯の肥厚、すべり症、背骨の歪みが原因で脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて発症します。

腰部脊柱管狭窄症の症状

腰痛、臀部痛
腰痛よりお尻の痛みのほうが多く見られます。また、歩くと腰痛や臀部痛、足にかけての痛みやしびれが強くなります。

坐骨神経痛:足の痛み、しびれ

腰部脊柱管狭窄症のメインの症状は神経が圧迫されて生じる足の痛み・しびれです。具体的には、お尻から太もも、すね、ふくらはぎ、足首にかけての痛みやしびれ、そして足の甲や足底、足の指のしびれです。初期には、すねあるいはふくらはぎだけに痛みが出ることや、足の指だけにしびれが出ることがあります。病状が進行すると太もも、ふくらはぎ、足底など広範囲に症状が広がっていきます。

皮膚の感覚異常

小石や砂利の上を歩いている感じがするなどの皮膚の感覚異常があらわれます。また、皮膚を触るとチリチリとした感じがする、触っても何も感じないという症状も現れることがあります。

間欠性跛行

間欠性跛行(かんけつせいはこう)とは、歩くと足の痛みやしびれが増してつらくなるけれど、短時間立ち止まったり、座って休んだりすると症状が軽くなり、また歩けるようになるという症状のことをいいます。立って歩く姿勢および歩く動作は、立っているだけで若干腰が反っていて、脊柱管を狭めて神経を圧迫しやすい上に、歩いて足を前後に動かすと、腰から足へ伸びる神経が牽引され、神経を痛めつけることになります。そして、歩き続けられなくなるほど症状が強くなる原因になります。座って休む姿勢では、立った姿勢より腰の反りが減って脊柱管が広がるので、神経への圧迫が減って痛みやしびれが軽くなっていきます。家事や買い物、通勤などで長時間立っていると足の痛みで辛くなる場合も座ると楽になるのが狭窄症の特徴です。間欠性跛行は主に腰部脊柱管狭窄症でみられる症状

足の脱力感・麻痺・足の筋委縮

足に力が入りにくい、歩くと足がふらつく、膝に力が入らない、膝がカクっと折れるなどの現れ方をします。これは、脊柱管を通る神経が足の筋肉を支配していて、神経の障害の程度が強い場合、筋肉に力が十分に入らなくなってしまうために生じる症状です。このような症状は、腰部脊柱管狭窄症の重症度が高いサインだといえます。実際に足に力が入らなくなると、転びやすくなり、高齢者の場合は骨折につながるので危険な状態です。

頻尿、残尿感、便秘などの膀胱直腸障害の症状

今まで夜間のトイレが1回だったのが、2度も3度もトイレに行くようになった場合は、腰部脊柱管狭窄症による馬尾障害の症状の可能性があります。また、日中にトイレへ行く頻度が明らかに増えた場合も要注意です。

会陰部の灼熱感 肛門周囲のしびれ、ほてり

会陰とは、外陰部と肛門の間の部分を指しますが、そこに灼熱感(しゃくねつかん)が現れることがあります。

こむら返り

夜間に寝ていると、足が急につってしまい痛くて目が覚める。ふくらはぎやスネに、こむら返りが起こります。神経が圧迫されると、神経から筋肉に異常な信号が入ることで、こむら返りが起きます。

腰部脊柱管狭窄症の重症度を4段階に分類

軽症

立位あるいは歩行で症状が現れる。
間欠性跛行は無い、あるいは30分以上は続けて歩ける。

中等症

10~20分程度で間欠性跛行。
薬などの保存療法では治らない人が増えてくる段階。根本的なリハビリ治療を早期に受けたほうがよい。

重症

10分以下で間欠性跛行あり。足の脱力・筋力低下あり。
根本的なリハビリ治療を受ければ改善する場合もある。しかし、保存療法で効果が出ない人が多いので、手術を受けるか検討する段階。

最重症

5分以下で間欠性跛行。足の脱力・筋力低下あり。膀胱直腸障害が出ている。
保存療法で治らない人が大半だが、膀胱直腸障害が無ければ、改善する人もいる。一般には手術を検討すべき。
*重症度が高くなると保存療法で治りにくくなりますが、たとえ最重症でも保存療法で改善する人もいます。

脊柱管の狭窄が起きやすい部位

神経が圧迫される部位は多い順に、第4腰椎と第5腰椎の間(L4/5)、第5腰椎と仙骨の間(L5/S)、第3腰椎と第4腰椎の間(L3/4)です。つまり、腰の骨の下の方です。

腰部脊柱管狭窄症の診断法

MRIを行えば腰部脊柱管狭窄症であることがハッキリ分かります。手術の適応が考えられる状態であれば、MRI検査を受けたほうがよいです。一方、レントゲン検査は、神経が映らないため、診断上必要な検査ではありませんが、骨の変形や、すべり症があるかどうか分かります。

手術はどんな時に必要か

手術は、足に力が入らない、膀胱や直腸の症状がある、臀部痛や、足の痛み・しびれで通常の日常生活が全く送れないなどの重症な脊柱管狭窄症の場合に行います。手術では、足や膀胱直腸に関係する神経の圧迫を取り除きますが、手術の操作で既に傷んでいる神経にダメージを与えることもあり、相当の危険があることを覚悟して下さい。腰部脊柱管狭窄症では、手術で症状がよくなることが多いのですが、症状が変わらない、逆に悪化してしまったというトラブルもあり得ます。

腰部脊柱管狭窄症に有効な運動

腰部脊柱管狭窄症は、神経が圧迫されて発症しますが、腰椎を前に曲げると脊柱管が広がって神経の圧迫が緩和します。腰を後ろに反らすと脊柱管が狭くなり、神経が強く圧迫されますので、腰を反らすリハビリは、症状を悪化させる危険があるので、避けて下さい。

膝かかえ体操

両膝を両手で抱えて胸に近づけ、腰を最大限に丸めます。しっかり腰を丸めたら、形を崩さないようにしながら力を抜き、その体勢を2~3分キープします。1日に数回行う。

ストレッチ

患部が右の場合、椅子に座った状態で右足首を左膝の上に置きます。この状態で右膝の内側を床方向に押しながら背中を真っすぐにしたまま体を前に倒していきます。そうすると腰や大腿部外側(大腿筋膜張筋)が伸びます。1日に何度も行う。

当院での治療

カイロプラクティック治療のなかで、コックステクニックという治療技術があります。その専用ベッド(コックスベッド)を用いて治療を行います。腰椎を屈曲して脊柱管を広げ、更に足をやさしく引っ張ることにより脊柱管を広げて神経の圧迫を和らげます。腰部脊柱管狭窄症の方にとても効果があります。痛みやしびれがあるからと言って家にこもりがちになると、筋力や運動機能が低下し、要介護状態になってしまうので、早めの受診、治療や適切な運動をして、少しでも健康寿命を延ばすことをおすすめします。

まとめ

腰部脊柱管狭窄症になったら
コックステクニックができるじょうさい整骨院へご相談を

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アクセス・治療時間

  • 名鉄バスセンター3番乗場より安松経由津島駅行き又は大坪行きに乗り『大治役場前』下車→進行方向に徒歩2分
  • 地下鉄東山線『中村公園』駅より市バス大治西条行きに乗り『大治役場前』下車→進行方向に徒歩2分
    または『中村公園』駅より名鉄バス津島駅行きまたは大坪行きに乗り『大治役場前』下車→進行方向に徒歩2分
  • 名二環『甚目寺南 I.C』より 国道302号線を南下(約5分)『深田』交差点左折
  • 名古屋高速『千音寺 I.C』より 国道302号線を北上(約5分)『深田』交差点右折